こんにちは、管理人のいろはです。
近年、既存の住宅の解体工事費用が大幅に上昇しています。
実際に解体の見積りをとった多くの家主さんが頭を悩ませています。
一昔前なら坪3万円でも高いくらいだった解体工事が、今では倍でも済まない…という話も珍しくありません。
この背景には、環境保護や安全性向上のための法規制強化があります。
最大の要因は環境保護基準の厳格化!?
アスベスト対策の義務化
最も大きな影響を与えているのが、アスベスト(石綿)除去作業の厳格化です。
1970年代から1990年代に建てられた住宅の多くにアスベストが使用されており、解体前に専門業者による除去作業が必要になりました。この作業には特殊な設備と技術が必要で、アスベストがあるだけ費用ははねあがります。
また、事前にアスベストが含有されていそうな建材に対して検体を取ることでさらに費用がかさみます。
分別解体の義務化
建設リサイクル法は聞いたことがあると思います。
この法律により、木材やコンクリートなどを種類別に分けて解体することが義務付けられています。
以前のように重機で一気に壊すことができなくなり、手作業による丁寧な解体が必要となったため、時間と人件費が大幅に増加しています。
行政指導と近隣配慮の重要性
騒音・振動・粉塵対策
都市部やいわゆる家込みでは特に、近隣住民への影響を最小限に抑える対策が求められています。
防音シートの設置、散水による粉塵防止、作業時間の制限などにより、工期が延長されそれに伴って費用も上昇しています。
事前届出と計画書作成
解体工事を始める前に、地域によっては騒音規制の届出とその対策にかかる仮設費用、解体する建物の規模や立地によっては近隣説明会の開催が必要になります。これらも見えないコストとして折り込む解体業者さんも地域によってはいるかもしれません。
許認可制度の複雑化
解体工事業登録制度
500万円未満の解体工事を行うには「解体工事業登録」が必要です。
この制度により解体業者の技術水準は向上しましたが、登録を取得していない業者は作業できなくなり、競争が減少して価格が上昇する要因となっているかもしれませんね。
廃棄物処理法の厳格化
解体で発生した廃材の処理についても、法律が厳しくなりました。
産業廃棄物処理業者への適切な委託、マニフェスト(廃棄物管理票)の作成・管理が義務化され、処理費用も年々上昇しています。
今後の見通しと対策
しかし、費用高騰も環境保護と安全性確保のために必要な変化です。
住宅所有者ができる対策としては、複数の業者から見積もりを取得し、工事内容の詳細を確認することが重要です。
また、解体時期を急がない場合は、閑散期を狙うことで費用を抑えられる可能性があります。
適切な業者選びと事前の情報収集により、安全で環境に配慮した解体工事を適正な価格で実現することができますので、まずはご相談ください。
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